『………』



「………ふっ」



葵は、私をじっと見てきてたから見つめ返すと、ふっと笑った。




それにまた連中は目を見開く。



……こいつ等、驚きすぎじゃないか?



そんな事を考えてたら制服のポケットに突っ込んである携帯が震えてるのに気づいた。





でも、取らなかった。


今はここを早く出たい。



「………なぁ、お前今日ーー」





「琉ーー稀ーーーー!」






葵が何かを言おうとして、雑音(←)が言葉を遮った。




その雑音の音高低に覚えがあり、ピクリと眉を動かす。




「琉ーーーー稀ーーーーー!





15秒で出てこねぇと紘に言いつけんぞー」





その言葉を聞いて、内心焦った。




あいつに知られるのは、全力で阻止したい。