「來哉がすぐに気に入るとかあんまねぇよな」
「………無いね。」
「あ~、まぁ、琉稀だしね!」
「…………珍し」
口々にそう言うその場の奴ら。
「お、ついでに俺等も自己紹介しとくか?」
金髪がそんな事を言い出して、出て行こうと踏み出した足を空中で止めて、何ともおかしい体制になった。
「俺は秋庭 陽-Akiha You-。
ちなみに獣帝の副総長ね。」
ゆるい口調の金髪、秋庭。
さっきから煙草を吸いっぱなしだから、ヘビースモーカーなのか、または私がここにいる事に苛々しているのか。
「俺は青海 恭輔-Aomi Kyousuke- 。
獣帝の幹部だよ」
言葉遣いが丁寧な、黒髪に紫のメッシュを入れてあるのが青海。
垂れ目がちな目は鋭い眼光を放っている。
警戒しているのが、目に見える。
「………赤梨 透璃-Akanashi Touri- 。
幹部」
小さな声で呟くみたいに言った黒髪に青のメッシュを入れた赤梨。
多分無口なのだろう、私をじっと見るだけで何も言わない。
ただ、不思議がってる目をしてた。