いや、兄弟だから多少は似てるけど……
「ぁ、伊織、お前の担任だからな」
………流れ的にでしょうね。
『うん、わかってる』
「でたー‼琉稀のエスパー‼」
昔から、柊はこう言う。
『お前らの行動がわかりやすすぎんだ』
「………かなぁ?」
不思議そうに首を傾げる柊。
それをシラけた目で見る私……と、伊織。
「……ごめんなさい、だからそんな目で見ないで」
柊は目尻に涙を溜めながら言ってきた。
「………そろそろ行くか」
暫く3人で喋ってると、時計を見て伊織が呟いた。
……一応教師の何かははめ込まれたんだね。体に。
「琉稀、行くぞ」
私は、ウィッグの長い前髪を前にかけた。
さっきまで邪魔だったからピンでとめていた。
「……よーし、行くぞ!琉稀、2-7な」
『ん』
「またいつでも来いよ」
ニコニコ笑って言う柊。
その笑顔に、
心が傷んだ。