気づかない私 恋歌side
入学から随分たったということで
席替えをしたのです
私は席は変わらず窓側の一番後ろ
斜めが藍だったから良かったけど…
宮内くんとは離れちゃったんだ
もう話せないのかな…
私は考えながら宮内くんの方を見た
また女の子たちが囲んでる
宮内くんのこと、最初は苦手だった
けど話してみるとすごく優しくて
一緒にいて居心地がいいんだ
そんなことを授業中も考えてて
全然授業が頭に入ってない
わぁ~ただでさえ頭悪いのに…
授業が終わり藍とお昼中
「恋ちゃん!見て見て!
お兄ちゃんがくれたの♪」
藍が指さす頭につけてるリボンのピン
ピンクで何だか藍っぽいな~
本当、藍はお兄ちゃん好きだな~
私は兄弟とかいないからすごく
羨ましく思える
「それでね!お兄ちゃん彼女出来た
らしいの♪」
「大和さんが?!」
「うん!びっくりだよね!」
大和さんはモテるのに彼女は絶対
作らなかったって前、藍が言ってた
大和さんが好きになるくらいだから
とても素敵な人なんだろうな~
「で、その彼女さんは誰なの?」
私は藍に聞いてみた
「ええーと、副会長の
水無月 かりん先輩だよ!♪」
水無月先輩?どんな人だろう…?
見てみたいな。
キーンコーンカーンコーン
「チャイムが鳴った!恋ちゃん!
行こう!」
「うん!」
廊下を歩いているとよそ見していた
せいか誰かにぶつかった
「あっ!すみません!」
私は頭を下げた
「私こそすみません」
私が顔をあげると、とても綺麗な人
髪が長くて少しふわふわしてる
「あっ!かりん先輩!♪」
藍が私の後ろから先輩に話かける
「藍ちゃん!じゃあこの子が恋歌
ちゃん?」
「そうですよ!♪」
「大和くんが話してたとおりの
女の子ね」
話が進みすぎて頭の中で制御できない
私
かりん先輩ってことは大和さんの彼女
さん?
「はじめまして。恋歌ちゃん。
水無月かりんです。よろしくね」
とても雰囲気が落ち着いた先輩だな
「あっ!七瀬恋歌です!」
「よく大和くんから聞いてます
藍ちゃんとすごく仲がいいって。
それによく転ぶ女の子って(笑)」
大和さんったらそんなこと水無月先輩
に話したの?!
恥ずかしいよ~
「あっ!いた。かりん」
「大和くん!」
大和さんが来た
「はい。かりん。また教科書忘れて
ただろ?」
「あっ!本当だ!ありがとう!」
話してる二人はお似合いのカップル
って感じ!
「かりん先輩っておっちょこちょい
ですよね!♪」
藍が笑いながら言ってる
「も~!藍ちゃん!」
ふくれっ面して拗ねてる水無月先輩
おっちょこちょいなんて意外だな~
「本当だよな!かりんは忘れすぎ!
まぁそんなとこも好きなんだけど」
恥ずかしいセリフをさらっと言う
大和さん
「忘れすぎなんて!も~!
藍ちゃんも大和くんもひどいよ~
ねぇ恋歌ちゃん!」
「えっ!?はい!」
突然話かけられ少しパニック
水無月先輩と大和さんはいちゃいちゃ
している
ラブラブだな~
「そろそろ授業始まるから!
またな!行くぞーかりん。」
「うん!またね」
そう笑顔で手を降る水無月先輩
「水無月先輩って綺麗な人だね!」
「うん!♪ かりん先輩って料理も
勉強も何でも出来るから憧れ
なんだ!♪」
そう言って嬉しそうな藍
「そろそろ授業始まるから行こっ!」
私達は教室に着いた
まだ先生は来ていないみたい
「ふー!間に合った!」
と安心したら誰かの足につまづき
転びそうになったけど、誰かが私を
支えた
「大丈夫か?」
上を見ると宮内くんだった
「あっ!大丈夫。ありがとう!」
背高いんだな~
「気をつけろよな。よく転ぶんだから」
「そんな転ばないよ!」
むきになって言ったけど確かに転ぶ私
ガラっ
前のドアが開き、先生が入ってきた
私も宮内くんも急いで席に戻った
宮内くんに触れたとき、なんか
胸がぎゅって締め付けられるような
感じがした
一体この気持ちはなんだろう