お前の亡骸を焼く光景に…わしは誓った…。


 お前に新たな世を見せてやるという誓いはずっと変わらない事を…。


 炎が…吉乃の身体を包み空に高らかにその柱を連ねた。


 「奇襲でございます!」



 夢の中で見ていた炎の柱は…現実となりわしの目の前で火柱を連ねて揺れた。


 「殿!?
 申し上げます…。
 明智光秀…謀反にございます!」


 大長刀を手にとり合戦に備えた部下から敵の名を知らされる。


 「光秀…か。
 朝廷に唆されたな…。」


 目前の扉を破り敵の兵が炎と一緒になだれ込んできた。



 「殿…!?」


 援軍に駆けつけたは…濃だった。


 敵の目を気にして濃に近づき小声で呟く。


 「濃…。
 地下にある暦の扉の前で待て…。」


 濃が頷いたのを見て…声を張り上げた。


 「何をしている! 女(おなご)の助けなどいらぬ!
 この寺より早く落ちよ!」


 濃もわしの言葉に声を張り上げ応戦する。


 「ここにお連れ下さった時より私も…兵の1人!
 地獄の果てでもお供いたしまする!」


 濃が…果敢に長刀を古い敵をなぎ倒す。


 我は‥濃の前に出て長刀を振るい叫んだ。


 「行けっ!」


 濃は頷き‥何人かの使いの者と僧達と共に‥この寺に眠る地下堂に進むのを確認する。