それでも慶吾さんから伝わる優しさが温かくて、あたしは少しだけ落ち着くことができた。



「ねぇ、瑠奈?」



瑠奈はポッキーをつまみながらあたしのほうを向いた。



「んぁに??」



「恋ってさ、苦しいんだね。」



瑠奈は黙ってポッキーを食べた。あたしもそっと手を伸ばして1本とった。



「でも、苦しければ苦しいほどその人に本気になれてるって気がするんだよね。」



瑠奈の言ってる言葉の意味が、あたしには全然分からなかった。