――慶吾Side


教室へ戻ると、桜がテラスに立って空を見上げていた。



「あ、慶吾!!」


どうやら俺に気付いたらしい。けれど、今の俺には桜をかまってる余裕なんてなかった。



「・・・・・・。」


俺は無言で教室を出た。



「・・待って!!」


桜が後を追ってくる。


ごめんな・・・俺の大切な人は、お前じゃないんだ。お前はタダの幼なじみ。だけど・・・それが言えない・・・。



俺は中途半端だ――。