あたしは美玖ちゃんの横を通ろうとした。



「逃げるんですか?」



彼女は、強い。


堂々と、あたしに立ち向かってきている。



「あなたは慶吾さんの何なんですか?」


「モトカノ。」



あたし、なんて意地悪なんだろう。きっとこの子はまだ知らなかったのに・・・。


今もあたしは、あいつを忘れられない――。