「あ、あたし用事あるから、さき帰るね。」


今すぐにここから逃げ出したかった。


「・・・・。」


莉央は無言のままだった。でも、何かを見透かしているかのような目で、あたしを見てきた。



「・・・ごめん。」


あたしはそう呟き、教室へ戻ろうとした。



「あ、桜さん・・・。」


そこには、息を切らし、目にいっぱい涙をためている美玖ちゃんの姿があった。



「どうしたの?」