「それは...」
流石に返す言葉は出てこなかったんだろう。
だって、芹沢鴨さんはまちがってないから。
自分の行動をいちいち伝える必要はない。
まして、相手が沖田なら尚更...
芹沢鴨さんは水戸派の局長
沖田は近藤勇さんが局長の試衛館派だ。
この二つの仲はかなり悪い。
「ここに人が来ませんでしたか?」
少しめんどくさそうに、少しイラついたように言った沖田に、芹沢鴨さんは笑った。
「来てないぞ」
きっと沖田は見抜いていただろう。
芹沢鴨さんの嘘を...
でも、
「そうですか。
では、失礼します。」
これしか言えなかったんだと思う。