ついたのは、一本の太い木が立っている草原だった。


「………」


お互い無言で暫く時を過ごす。


「沖田、ありがとう。
私を仲間だと言ってくれて。

私に生きる意味を教えてくれて」


ゆっくり、静かに口を開く


沖田は黙って聞いていた


「私は生きるのが怖かった。
生きていたら人の運命を変えてしまう。

それが怖くてしかたなかったの。
親友が、父親が私に言った。

お前なんて死ねばいい

すごく怖かった。生きるということが。

死のうって思った。
そんなときだったよ、この時代に来たのは」


ここで言葉を切って

空を仰いだ。