「違っ」


後ろを向いたときにはすでに大里は部屋を出たあとだった。


「土方さん、流石にあれは酷くないですか?」


「煩い。
それより総司、怪我はもういいのか?」


部屋のすみで一部始終を見ていた沖田、彼の右腕には包帯が巻かれていた。


「千蒼ちゃん泣いてましたよ」


沖田の言葉が土方の胸を突き刺す。


「そんなことより、怪我の具合はどうなんだ?」


「もう大分ましです。

それにしても、もう少しで千蒼ちゃんにバレるところでしたね、僕と一くんが...」