「お前は俺が言ったことを忘れたのか?」 「……忘れてない」 忘れてないけど... 「だったらなぜ逃げた?」 目が覚めたときに聞いたのだろう。 私が脱走したことを... なぜ? そんなの決まってる、怖くなったから。 私が生きてると人を傷付けてしまう、それが怖くて仕方なかったから。 また繰り返してしまいそうで 梨夏の事を また言われてしまいそうで 父親に言われたことを それが怖くて仕方なかった。