「今までごめんね」と、

おばあちゃんの葬儀の間呟いてたお母さん。


その言葉は、


あたしに対して言っているのか、


それとも
おばあちゃんに対して言っているのか、

分からなかった。



今さら
どっちでもよかった。



ただ、あたしと暮らしたいと、
お母さんは口にした。


それだけでもう
満足だった。



あたしは溢れそうな涙を
必死にこらえて


揺れる列車の中


お母さんと目を
合わさないようにした。


どんな顔をしていいか
分からなかったから。