「ケータイ」

あたしは言った。


「ケータイを、変えたいんだけど」


あたしの第一声はそれだった。


たいした会話もしないまま、


東京に着いてまず向かったのは携帯ショップだった。


今まで使ってた携帯を解約して


お父さん名義で新しい携帯を買った。


今まで使ってた携帯を、捨てることにした。


携帯には、

思い出がつまりすぎてる。


写真とかも、

全部捨ててきた。


改めて、

東京の空を見上げる。


建物ばかりで、

圧倒された。


建物の高さに、

圧倒された。




あたし、ここで


生きてくんだな。