「私も雪みたいになりたい。」

誰に聞こえるわけでもなく、
ポツリと呟く。

そのつぶやいた声は、まるで雪のよう。
ふわりと、意味もなく直ぐに
空気中に溶けて、消える。


でも私は雪じゃない。人間だ。

個性と感情、理性をもった人間だ。


未来も、責任も、進路も、
全部 自分で考えなければ、
負わなければならない。


……

ゲーセンへ行くことを決めたはいいが、

高校近くにあるゲーセンは避けたかった。


だからわざわざ駅へと寄り、
2駅分、乗車することにした。


ガタゴト揺れる車内にあわせて
私の体も揺れる。