「お風呂、お先にいただきまーす」

 からりと引き戸を引き、適度に湿度のある風呂場に入る。

 そこはやはり温泉宿のようだ。いや、下町の銭湯でも言おうか。

 目の前には滝が流れ、広い浴槽は何やら温泉の香りがする。

 サウナ室も備えられていて、しかもミスト室まである。

 シャワーも8台完備され、そこはどうみても『銭湯』そのものだ。

「うっわー、なんて豪華なお風呂なの」

 体を隠していたタオルを取り、広い風呂に一人でのんびりと入浴を楽しむ。

 備えられているシャンプーはどこかの美容室のものだ。

「お金、かけてるんだぁ」

 まじまじと眺め、使ってみるとやはりその感触は違う。

 鼻歌なんぞ歌いながら肩まで湯に浸かり、汗をかいたところで一回流す。

 さっぱりしたところでサウナ室へ入って毛穴に詰まった汚れをぜーんぶ流して綺麗さっぱりしようとルンルンだった。

「暑いけど、気持ちいい!」