凛を先に行かせて、舞稀は桜を見上げていた。


スタッ。

誰か来た?


「舞稀。よく、できました。」


龍斗の声だった。そして、龍斗は舞稀の頭をなでた。


「見てたのぉ?ずっと…」

「ずっとじゃないけどな。凛、すっごい嬉しそうな顔して通ってったよ。」

「舞稀、凛の力になれたかなぁ?」

「なれてるよ。もう、十分だよ。よく、頑張ったな。」

「…ありがと。」

「舞稀ってさ、優しいよな。」

「な、にそれ。いきなり。やめてよねぇ///」


舞稀は、下を向いた。恥ずかしくて、逃げたいくらいだった。