夢なんじゃないかと思った。



「驚いた?」



何事もなかったかのように柔らかく笑う。


咲夜の片手に持ったスマホから、あたしのスマホへ声が伝わってる。


電話で繋がっていた距離が小さく感じる。



「なんで…ここにいるの……」


「姫が俺に話あるって言ったんでしょ?」


「それはそうだけど……」



全く飲み込めない状況。


自分の居場所も場所も伝えてないし、このネックレスのことも何も言っていないのに……。


咲夜はどうして…………



「別に、理由なんてないよ。

ただ姫に会いたくなってここへ来た」


「うん……」


「そしたらほんとに、


姫がいたんだ」