不意に後ろから聞こえた声。


そしてふわっと包み込むように抱きしめられた。



「探してるものは、こちらですか?」



いつかの劇のときと同じ棒読みな言い方。


そしてあたしの手に何かを置く…。



「……え」



両手のひらで握らされたそれは、あたしが失くしてしまったもの。


咲夜がくれたネックレス。



振り返ると見えたのは、


愛しい笑顔……。




「さく……や……」