「それで咲夜と別れたけど、ほんとはずっと好きだった。

咲夜といれる時間はいつだって幸せだったなの」



伝えたい言葉はぐちゃぐちゃで。


涙も止まらない。


それでも大好きな気持ちは


確かに心にある。



「文化祭の練習付き合ってくれたときも

本番で王子様やって助けてくれたときも

初めてデートに行ったバスケの試合も

クリスマスにくれたこれも……えっ!?」



制服のポケットに手を入れた瞬間、全身に寒気が走る。


何度も中を手で探る。


けれども…

探し求めるものはどこにもなくて……



『姫…?』