「お疲れ様~」


どんどん減っていく部署の人達。

必要最低限の明かりしか灯らない、部署内。

そして、その中にいつものメンバーがフロアに残っている。


私と。

櫻井駆。


「たまには松本も早く帰れ」

「大丈夫です。仕事してる方が好きなんで」


これは強がりでもなく、本音。

仕事をしていれば、嫌な事も忘れられる。

無心になれる。


「まぁ、同感だな」


私の言葉に、頷く彼。

きっと私と櫻井さんは性格が似ている。

仕事が好きで、どうでもいい事は本当に興味がない所とか。

自分のペースを乱される事が嫌な所とか。