でも、ここ最近では少しづつだけど櫻井さんのイメージは変わってきた。
きっと、少し不器用なだけで、本当は優しい人なのかもしれない。
「まぁ、関わってしまった以上気になるんじゃない? 一応私、数少ないチームの1人だし」
そう。
うちの会社は担当する地区ごとにチーム分けされてる。
幸か不幸か、私は櫻井さんと同じチーム。
10人ほどのチームだ。
「そうなのかなぁ~。なんか納得いかない」
「絶対そうだって」
「え~」
「それ以外ないって」
もっと面白い展開を予想していたのか、つまらなさそうな美咲。
きっと私の事を櫻井さんが好きだとか、そんな事を期待していたんだろう。
ハッキリ言えるのは、それだけはまずないって事。
――結局、その日は美咲はお泊りセットを持参していて有無も言わさず泊まって行った。