「明日と明後日は休みを取れ。部長には俺から言っておく」

「――…はい。ありがとうございます」


本当は明日午前だけ休みを貰って出社しようと思っていたけど、この雰囲気だとそれは許してくれないだろう。

おまけに明日でこの風邪が治るとは思えないし、無理して会社にいってフロアのみんなにうつしたら大変だ。


「いい機会だから、ゆっくり休め。ここ最近働き詰めだっただろ」

「櫻井さんにその言葉、そのままお返しします」


私より働いている人に、そんな事言われて心苦しい。

結局電車に乗っている時も、片時もパソコンを仕舞わなかったし。


私の言葉を聞いて、少し苦笑いした櫻井さんだけど。


「俺はいいんだよ」


と、結局誤魔化された。


「じゃ、お疲れ。ゆっくり休めよ」


そう言う櫻井さんに、お疲れ様でした。と言うと振り返らないまま右手を上げた彼。

そしてそのままパタンと閉まったドアを確認して、隣の自分の部屋に入る。


本当はシャワーを浴びたいけど、ひとまず寝よう。

クタクタだ。


そう思って、いつものスエットに着替えてベットに潜り込んだ。