私の突然の言葉に、ふと目線を私に向けた彼。

そして、布団から顔を出した私を見て口を開いた。


「だろ?」


そう言って、どこか不敵に笑った櫻井さん。

そしてまた、パソコンの画面に視線を戻した。


「中、高はサッカー部だった」


パソコンから目を離さずにそう話し出した櫻井さん。

その声に耳を澄ませる。


サッカー部。

うん。合ってる。


「もうサッカーは辞めちゃったんですか?」

「大学の時にしてたサッカーが最後かな―――ほら。この前飲み会で会った奴らと」


そう言って、パチっとキーを押して櫻井さんは私の顔を見た。

その瞬間、動いていた空気が再び止まる。

まさか櫻井さんからその話題を持ってくるとは思わなかった。


「そうですか」


だから、歯切れの悪い言葉しか出てこなかった。