上司にここまでされて申し訳なさと、気まずさが漂う。

それでも、当の本人は全く気にしていない様子で固まる私にヨーグルトを押し付けた。


「食べて寝ろ」


そう言う彼に反抗する元気もなかったので、大人しく言う通りにした。

本当に世話焼きなんだな――。



寝る前に熱を測ったら、38.8だった。

上がってる……。


通りで、こんなにもしんどいわけだ。

息するのも、しんどい。


ミシミシと音が鳴りそうな体をゆっくりとベットに埋める。

だけど、今更周りの部屋の様子を見て、ハタっとなる。

というか、今更だけどここ……。

櫻井さんの部屋じゃん。


自分の部屋と同じ造りだったから気が付かなかったけど、私の荷物が一切ない。

と言う事は、ここは櫻井さんの部屋。


「すいません、自分の部屋に戻ります」