黙り込みながら眉間に皺を寄せた私の顔を見て、何を考えているのか分かったのか、櫻井さんは飄々とした顔で私を見つめ。


「気にするな。俺も気にしてない」


と言って、残りのミネラルウォーターを飲み干した。


本当で気にしてなさそうだ。

ここまで、ハッキリ言われると逆に清々しい。

ありがとうございます。とお礼まで言った。


「何か食べるか?  薬飲まなきゃだろ」


そう言われても、食欲なんて皆無だ。

口を動かすのも、億劫なのに。

そんな私の考えをまた読み取ったのか。


「食欲ないのは分かるけど、何か食べないと薬飲めないぞ――ヨーグルトなら食べれるか」


そう言って冷蔵庫から、1人分のヨーグルトを取り出した。

その手元にあるものを見て、再び固まる。

もしかして、わざわざ買ってきてくれたのだろうか。