「私は変わりません。何があっても」


この先、何があるかなんて分からない。

未来なんて誰にも分からないんだから。


でも。


だからこそ、信じていたい。

この先の未来は、輝いていると信じていたい。

変えられるのは、過去ではなく未来だけなのだから。


それに彼となら大丈夫。

きっと大丈夫。

同じ『辛さ』を知っているのだから。


力強く、そう言った私を見てふっと小さく笑った彼。

不安気に揺れていた姿は、もうない。


「お前には驚かされてばっかりだな」


そう言って、柔らかく微笑んだ櫻井さん。

ゆっくりと顔を上げて、真っ直ぐに私を射抜いた。


「ずっと側にいる」

「――」

「何があっても、俺がお前を守る」

「うん」

「俺がお前を幸せにする」


その言葉に、胸が熱くなる。

笑顔が泣き顔になる。

ぽっかり空いていた穴が埋まっていく。


ずっとずっと欲しかった、温かい手。

ずっとずっと望んでいた、私の居場所。

すっとずっと欲しかった、言葉。


私はきっと、今日この日の為に走り続けてきたんだ。

頑張ってきたんだ。