その言葉に、ハタっと動きを止めて看護婦さんの方に目を向ける。

すると、どこか呆れた様子でこちらを見つめるその人と目が合った。


「松本さんも腕を3針縫ったんですから、あまり無茶しないで下さいね」

「3針……」

「まだ完全に傷も塞がってないんですからね」


その言葉に、目を瞬かせる。

そういえば、腕に包帯が巻かれている。

興奮して気づかなかったけど、今更ジンジンと痛み出した。


「す、すいません」


なんだか、申し訳なくなってオズオズとベットに戻る。

まるで母親にでも怒られた気分だと思って、恥ずかしくなった。

すると。


「まぁ、何かあったらすぐ呼んでくださいね」

「え?」

「507号室。行かれるんでしょ?」


そんな私を見て、クスっと笑ってそう言った女性。

そして、ポカンと口を開けたままの私を一瞥した後、スタスタと病室を出て行った。