まだ2月に入ったばかりなのに、桜を見れるとは思わなかった。
ハラハラと散る桜をじっと見つめる。
風と共に、木々が葉を揺らす音が辺りに響く。
小さな噴水から聞こえる水音が更に世界を豊かにする。
それらを見つめて、息を吐く。
こうやって自然に囲まれていると、自分のいる世界がどれだけ小さいか考えさせられる。
毎日必死に駆け回っている世界も、本当は小さな箱庭で。
必死に働いている自分も、所詮は大きな機械の歯車の1つに過ぎないんだって。
そう思うと、なんだか必死に働いている自分が酷く小さく見えると同時に、だったらなんでもやってやろうじゃん! って気持ちになる。
さっきまでできない。って思ってた事も、簡単じゃん。って思える。
そんな事を思いながら、ボーっと世界を見つめる。
真っ暗な世界に、ヒラヒラと散る桜の花びらが、まるで明かりのように淡い光を放つ。
あまりにも美しいその光景に、目を細めていると。