週末を挟んでいて良かった。
あのクリスマスの日の後、すぐに仕事で顔を合わせたら、きっと普通じゃいられない。
この週末で頭を冷やす事ができた。
理性を失って、あんな事をした自分に酷く後悔した。
気持ちが返ってくるわけなんてないのに。
そんな事分かっていたのに。
櫻井さんのあの一言は、一歩踏み出した私の道を塞いだ。
拒絶された。
きっと、彼はもう以前のように接してくれない。
一度は私を受け入れたように思えた。
だけどそれは、幻だった。
少しでも浮かれた自分が惨めで哀れで、消えてしまいたかった。
この週末、ずっとずっと考えていた。
これからの事。
自分の気持ちの事。
もう一度私の気持ちを伝えるか、どうか。
だけど、また拒絶されるのが怖い。
もっと彼が私から離れるのが怖い。
だから、私はまた逃げた。
傷つく事から逃げた。
そうだ。
私にはやはり恋なんていらない。
仕事さえあれば、いいんだ。
もう傷つく事に怯えて生きるのはたくさんだ。
だからこの気持ちも、もういらない――。