どことなく胸騒ぎを覚えながら、息を殺して足を進める。

すると、徐々に淡いライトアップに照らされた2人の影が浮かんだ。


波の音に紛れて、僅かに人の声がする。

見てはいけないと思いつつも、理性が効かず、ソロソロと見つからないように近くまで歩み寄って物陰に隠れた。

でも、その影がハッキリした瞬間、息が止まりそうだった。


ベンチに座って煙草をふかしている男の人。

そして、その横に立っている女の子。


櫻井さんと。

日向だった。