――…カタカタ。
就業時間が終わって、静けさが際立つこの時間。
節電が叫ばれるこのご時世では、必要最低限の電気は落とされ事務所の中は薄暗い。
まぁ、私1人しかいないのだから手元のライトさえあれば問題ではない。
業者への営業から帰ってきて、いつものように資料をまとめる。
別に急に必要な資料ではないが、今日のうちにやっておかないと落ち着かない。
それに、もし急な仕事が入っても対応できる。
メンテナンスやクレームで呼び出されることは珍しい事じゃない。
それに残業も慣れてしまえば苦痛じゃない。
どうせ家に帰っても1人だし。
グダグダ家にいるくらいなら、仕事をしていたい。