恋愛ってこんなに難しかったっけ?

こんなにも、迷うものだったっけ?


もっともっと単純なものだと思っていた。

昔は、ただ好きだから想いを伝える。

真っ直ぐな恋だったから。


でも今は障害が大きすぎる。

仕事を共有する場所で、恋という異物を持ちこむのだ。

拒否されれば、その異物は『しこり』になる。


そしてその、しこりの中でそれからもずっと仕事をしていかなきゃいけないのだ。

それだけは、1人の社会人として嫌だった。


周りに迷惑もかけたくないし、この付かず離れずの丁度いい距離感を失いたくなかった。


逃げているのは分かっている。

臆病だって、分かっている。


だけど、前に進むのが怖い。

今の環境を変えるのが怖い。

恋をするのが、怖い。


だから、この感情には蓋をする。

『無かった事』にする。