「最近の若い子は、『ゆとり』だか何だか知らないけど、ゆるんでるしなぁ~」
そう言って、茄子をモグモグと食べる姿は、もはやオッサンだ。
『ゆとり』が原因かは分からないけど、確かに私達の若い頃と今の若い子は何かが違う。
まぁ、時代も変われば人も変わるから仕方のない事だと思うけど。
美咲は知ってるか知らないけど、一応私達も世間的にはギリギリ『ゆとり世代』に括られてるんだけどなぁ。
まぁ、『ゆとり世代』って、いわば国政の犠牲者だと私は思う。
勝手に勉強量を減らされ、いざ社会に出ると『ゆとり』だとか言われて馬鹿にされる。
いい迷惑だと思う。
「若い子なんだ?」
そんな事を思いながら、熱燗をチビチビ飲み続ける美咲に問いかける。
すると、頬をピンクに染めた美咲がトロンとした目を私に向けた。
「関西支社からの出向みたいでさ、梨恵に聞いたの」
「へぇ」
「23歳だって」
私達と、3つしか変わらないじゃん。
って、言おうとしたけど飲み込んだ。
確かに、3つ年下の後輩を見ると自分とは何かが違った。
見た目というか、顔つきというか、雰囲気というか。
やっぱり、若いなと思うようになった。
女の20代は劇的な変化があると思う。
一年過ぎる度に、徐々に『女』になっていく。
私だって、まだ26で『女』になる途中だと思う。
大人だと思っているけど、実際まだまだ子供で未熟だと思う。
それに、23なんて、つい最近まで学生だったようなもの。
社会人としての経験も浅いだろうから、私達よりもっと子供で未熟だろう。
だけど、きっと、フレッシュで、可愛らしいんだろうな。