零れた涙と一緒に、言葉が落ちた。

ポタリ、と。


「1人は嫌なの――っ」


恋愛なんていらないって思った。

1人でも生きていけるって。

あんな辛い思いをするくらいなら、もう恋なんてしないって。


仕事だけしていれば、自分は満たされるって思っていた。

仕事だけが私にはすべてだと思っていた。

嫌な事だって忘れられる。

みんな必要としてくれる。


――…でも、日を追うごとに虚しさが襲ってきた。


家に帰っても、真っ暗な部屋。

誰もいない、1人の食卓。

鳴らない携帯。


まるで必死に強い自分を演じる私を嘲笑うかのように、寂しさが襲ってきた。

捨てたはずの心が、寂しいと叫んでいた。