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「昨日の電話なんだったの?」


朝出勤して、真っ先に美咲が聞いてきた。

その言葉に、苦笑いを浮かべる。


「あ~……ゴメン。寝ぼけてて」

「なんだ。何かあったのかと思った」

「ゴメンね」

「いいよ。何もなかったのなら」


結局あの後、美咲に電話を掛けたけど留守電だった。

まぁ、夜遅かったから仕方ない。


昨日はあれから眠れなかった。

誰かに見られている気がして、小さな物音でも体が過剰に反応した。


だけど、自分が図太いなと思うのはここから。

実は、だんだん怖さが怒りになっていったんだ。

フツフツと怒りが湧き上がってきて、冷蔵庫からビールを取り出した。


っていうか、なんで訳の分からないヤツに私の安眠を邪魔されなきゃいけないの!?

なにがパジャマ可愛いねだ!

ふざけんな。



だから眠れなかったのは、怖くてじゃなくて。

怒りで。