「紗菜、帰ろ?」



太輔はあたしに自分が着ていた上着をかけた



「太輔が寒いじゃん」



あたしは上着を返そうとした



けど、受け取ってもらえなかった



「いいから、はい立って」



太輔は手をつないだまま立ち上がった



その反動であたしも引っ張られる形で立ち上がる