「うん」


口下手でネガティブな私には、

愛情表現なんてとてもじゃないけど

できない。



でも、きっと辻本君は。


待っててくれてる気がする。


感じるのは抱き合っていた彼の温もり。



忘れない。





「でもさ」


唐突に彼はそう言う。


思い出したように言う。



「どうしたの?」


私がそう聞くと、

彼は悪戯っ子のように笑った。





「俺、まだ空から好きって言ってもらってねぇ」