どれだけ経ったのだろうか。



強く吹いていた木枯らしはやみ、


温かい夕日が私たちを照らす。





「美晴さん」



「空、でいいよ」




私からの初めてのお願い。



小さい頃からの夢でもある。







大好きな人に、名前で呼んで欲しかった。



辻本君には届いたのかな?





「分かった、空」




体温が一気に上昇したのが分かる。


「何?」




「俺のずっと愛しい人でいてくれ」






そう言って彼はまたあの笑顔で笑う。