「美晴さんて、高嶺の花だってこと知ってた?」


ふいに彼に振られたそんな言葉。


高嶺の花?

私が?

何で?



「知らない…。

嘘、じゃないの?」


「まさか。クラスの男子の大半は美晴さん狙いだよ」



嘘…。

でも、私って可愛くもないし、綺麗でもない。

それに、明るくもない…。



「明るさが第一じゃないんだよ!」




私の思いを読み取ったのだろうか。


彼が慰めるような形で言ってくる。





やっぱりその顔には、あの笑顔。




明るくて元気な彼には、

その笑顔はよく似合っていて、よく映える。






あぁ、私は幸せだ。






心からそう思った。