「美晴さん?」




そう言って彼は私の顔を覗き込むように言う。


辻本君が私を心配してくれた。


それは何よりも大きな喜び。




やっぱり、今日の私、変。










「ごめんね、コロッケありがとう」



私はそう言って、彼の手に持っている

熱々のコロッケに手を伸ばす。







「…っ!」


コロッケに触れた瞬間、

指先に痛みが走る。



刺されたような痛み。



多分私の手が冷えすぎて、

温かいものを触ったからの現象だと思うけど。







「だ、大丈夫!?何が起きたの!?」



あぁ、こんな些細なドジにも

そんなに心配してくれるのね。