「おじさーん、いつもの二つ!」


「あいよー。兄ちゃん今日は一つ多いな!」




商店街の一角。


そこに佇むコロッケ屋。


そのコロッケ屋からはとてもいい匂いがする。





彼はそこの主人であろうおじさんに、

馴れ馴れしく要求している。







「あいよ、いつものコロッケな。


…って、おぉ?兄ちゃん、

今日は可愛い連れがいるじゃねぇか」



可愛い、だなんて言われて、

思わず首をくすめる。




それを見たのか辻本君は、ハハッと笑う。



あぁ、またその笑顔だ。






「何だい兄ちゃん。




……彼女さんかい?」





おじさんがニヤニヤして彼に聞く。





すると彼は、私に聞こえないような声で

おじさんに言ったのだ。









「これからするつもりですよ」