「まずは月下ー。」

いつものように満点を取ったが…
まわりとしても俺としてもそんなことはどうでもよくて、次に呼ばれる名前を今か今かと待った。
まぁそんなに長い時間なわけじゃないけど。

「次ー国枝ー。」

クラスが一瞬しん、と静かになってそれからすぐにわっと盛り上がった。

「国枝すげぇっ!」

とか

「転校生やるなぁ」

なんて声が聞こえて来る。

極めつけは先生の一言。

「授業の進度がこの学校のが進んでるって聞いてたんだけど、大丈夫そうね。」

「はい。」

国枝は何事もなかったかのようにテストを受けとった。

この学校のが授業の進度が進んでる…

つまり、国枝はこの範囲を習ってなかったのに満点だったってこと。
余計にクラスは盛り上がった。