「失礼します。」

みんなのテンションとは真逆に静かに…でも凛とした声だった。

「はい。今日からこのクラスに編入した国枝 伊代(くにえだ いよ)さんです。
みんな色々教えてあげてね。」

国枝はすっと一礼をして

「よろしくお願いします。」

とだけいった。

国枝は整った顔をしていた。
ただ、2つ結びに伸びた前髪。
笑顔など一つもなかった。

ぱちぱちとみんながまだらに拍手をする。

「綺麗な子だね!」

「やばい、美人!!」

そんな声がクラスから聞こえた。