「国枝はさぁ、何のために勉強すんの?俺はトップになってまわりに認めてもらいたいからだけど。」
それまで勉強をしながら話しをしていた国枝がペンを置いて話をした。
「私はお父さんとお母さんに恩返しがしたいの。だからいい仕事に就けるように勉強してる。」
親に恩返し…
っていうのは俺からすれば不思議な感じだった。
俺はいつも自分のためだったから。
「お父さんとお母さんの自慢の娘でありたい。」
国枝の決意のような願いのような…
言葉を聞いて自分を恥ずかしく思った。
それからこいつに自分を認めさせたいと思った。
こんな風に思ったのは初めてだった。