その後、ビールを飲みながら話を進めていた。


「あ、そうだ。佐伯。昨日の現場の写真。皆にも見せてあげて。今日の会議でそこまで話行かなかったから。」



「これですね。この写真なんですけど。」


そう言って一枚の写真を机の上に出す。


「これは、野々村さんの右手付近にあったダイイングメッセージと思われるものなんですけど。一回書いた後にこすって消したようになってるんです。」



辰巳が

「要するに解読不可能ってことか。何を書いたんだろうな。うーん。」


そう言うと写真を見つめた。


「ん?こりゃ、ひらがなか?よ…って書いてあるように見えるけど。」



辰巳がそう静かに言った。


佐伯が

「よですか？もしかして犯人の名前を書こうとして途中で息絶えたってことも考えられますよね。」


と言うと、辰巳が

「ああ、でもまだ確証としてあげられるような段階じゃないからじっくり調べたほうがいいな。明日の会議ではまだ何と読めるかとか言うんじゃないぞ。」

と忠告した。

「了解しました。」

佐伯がそう言った後にバイブが鳴った。


「ごめん。ちょっと電話かかってきた。はい、月野です。はい。はい。分かりました。すぐに向かいます。」


そう言うと電話を切った。