「ん？別に何でもない…。ほら、行こう。大山希子の居場所を突き止めないとね。」



そう言って再び歩き出した。



その後の捜査でもあまりきちんとした情報は得られず捜査は終了した。





その日の夕方、一度全員に招集を掛けた。



集まるのはいつもの居酒屋。



とりあえずビールとおつまみを注文してから今日の捜査中に気になったことを口にした。


「私、思ったんだけど最初に会った広尾さん。誰かをかばってると思うの。私が目を見詰めた時に若干おびえてる目をしてた。それが気になって…。後、辛いことが過去にあったんじゃないかなとも思うの。」



そう言うと横から西村が


「辛いこと…ですか？それはどういう…。月野さん?大丈夫ですか?」



「あ、うん。大丈夫。これは私の憶測でしかないけど、過去に誰かに殺されかけたりとかしたんじゃないかなって思う。」




そう呟くと下を向いた。



辰巳が


「どうしてそう思うんですか?」


と静かに聞いた。