まだ、信じていた。
あたしの隣で笑う…この人達を。



『ご飯やでぇっ♪』
05時半くらい。
食事の当番の娘が部屋に戻った。
『なぁ玲っ。呼びかけ手伝って』
『うん。いいよ』
『一番奥からゆっていって。』
『えっ…』
『どしたん??』
『あ、ううん。別にっ』
一番奥の部屋は、悠翔のいる部屋だった。
少し小走りで部屋の前まで行くと、深呼吸してドアをノックする。
…コンコン
中からはまだ高い男の笑い声が少し漏れていた。
「はーい」
中から出て来たのは…案の定、班長の悠翔。
『…っ』
「玲…。何??」
『あ…ご飯、準備出来たって』
「わかった。…おい。飯行けるって。」
あたしは悠翔が部屋を向いてる間に隣の部屋をノックする。
…泣きそうになった。
あんな冷たい目で見られたの、久しぶりだなぁ…
「はいー」
お、愁ちゃん。
内心少しホッとした。
愁ちゃんでよかった…
『ご飯出来たって。』
「わかったー。なぁ、飯出来たってー」
あ…出来たって言い方間違えてるかな??
ま…いっか。
次の部屋…あ…やってくれてる。
あたし、仕事出来ない女だなぁ…

…ホール行こ。
あたしは足早に01階のホールまで出た。