ぐるぐると飽きずにマドローでかき混ぜていると目の前の暁が怪訝そうな表情で私を見ていた。



(なに?遊ぶなって‥?
わかってるよ。飲みます。)



声に出さず目線だけのやり取りをした後、水を一口飲んだ。冷たい氷が溶けて丁度いいくらい。あ~冷たい水は美味しいね。



「お前さ、飽きねーのな。」



「なにが?」



「毎日来てるだろ、ここに。相当、暇人みたいだな」



暁のその一言にグサッと来る。
不覚にも一瞬だけ怯んでしまった。



(‥‥‥そんなこと、わかってる。)



水も冷たいけど、いとこも冷たい。何、このWパンチは。そんな冷たいいとこの言葉に反応せず、水をちまちまと飲む。一気に飲んだら頭にキーンと来ちゃうからね。あれは全く頂けない。



「‥‥‥なんだ、まだ慣れないのか、新しい学校は」



深いため息を吐くいとこにビクリと肩が反応する。あれ、なんだ‥バレたの?



「まだって1ヶ月しかたってないし‥」



「1ヶ月も、だろ。」



「他人事だと思って‥‥」



俺は関係ないみたいなその顔ムカつくなぁ‥いいよね、あきらさんはぁ、コミュ力あるし、人見知りしないし。まぁ、だから店主なんだろうけどね、羨ましいわ。



暁の言葉で一気に現実に引き込まれた感じがした。もともとこの地域には小さい頃から住んでたんだけど、中学にあがる前に父親の仕事の関係でほんの少し前まで別の県に住んでいた。



その場所で落ち着いた。かと思えば、まさかの移動でまたこの街に戻ってきたのだ。